【換気設計者が語った】第3種換気での吸気の位置の決め方

この記事では、僕がマイホームを建てる際に、第3種換気の吸気の位置について考えたことをまとめています。

第3種換気にしようと思っているけど、どこを気にしたら良いか分からないですよね。

経験上悩む理由は1つで、
換気扇と吸気口の位置をどうしたら良いか分からない。
ですよね?

間違っていたらすみません。

他の記事でも書きましたが、排気すなわち換気扇はある程度位置が決まってしまいます。

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そうなると考えないといけないのは吸気ですが、どう考えたら良いか分かりませんよね。

僕自身もその1人だったので、本当に困りました。
そこで泣きついたのが、メーカーで換気製品を設計している友人です。

要はプロです。

とは言うものの、本当に適切な吸気位置の設計をしようと思うと、測定が必要とのことです。

実際そんなことはできないので、どう考えたら良いかの観点、つまりはコツを教えてもらいました。

我が家はそのコツをもとに吸気の位置を決めました。

今日はそのコツを使って、どうやって我が家の吸気位置を決めたかをご紹介するわけですが、あくまで我が家のケースです。

全ての家に同じことが言えるわけでは無いですし、そもそも我が家もキチンと設計できているか定かではありません。

測定しないと答え合わせできないですからね・・・

観点は正しいと思います。
その観点でぜひあなたのマイホームの吸気の位置を考えてみてください!

1. 換気扇からあまりに遠いと吸えない

ストローでジュースを飲むときのことを想像してください。
原理は同じです。

・普通のストロー(長さ15cm程度)
・ものすごく長いストロー(長さ1m)

それぞれのストローでジュースを飲む際、飲むのに必要な吸引力(人の吸う力)は同じでしょうか。

違いますよね。1mのストローなんかではジュースは飲めないと思います。

換気扇も同じで、吸気口からあまりに遠いと、空気を吸えません。

じゃあどれくらいなら良いのか?

残念ながら、どこまで離していいかを決めることはできません。

部屋の広さに加えて、部屋の形状、壁の位置などで変わってくるからです。

そんな中、僕はどう考えたかと言うと、
換気のスピードです。

1〜2時間で部屋中の空気を換気し切ることを目安にしました。

その程度の広さなら、部屋中の空気を換気し切れると踏んだわけです。

銀次郎
って換気の設計をしているメーカーの友達が言っていたので。

ただ前述したとおり、部屋の形によって換気の状況はまちまちです。

あくまでざっくりとした試算で、当てずっぽうよりは幾分良いレベルだと思っています。

以下で我が家のリビング・ダイニングの換気を例に、僕が実際に計算した方法をまとめます。

2.【計算してチェック】換気扇-吸気口間の広さが適切か

我が家のリビング・ダイニングの換気扇の吸う力は以下の通りです。

我が家の換気扇の能力

112㎥/h

この数値は、メーカーのカタログに載っています。

この数字は、

1時間で112㎥もの空気を吸って外へ吐き出す

ことを意味しています。

一方で、我が家のリビング・ダイニングの広さは50㎡です。
そして、天井高さは大体どこの家も2.5mです。

なので、

リビング・ダイニングにある空気量

50㎡×2.5m=125.5㎥

となります。

換気扇の吸う力112㎥/hと比べると、部屋の空気の方が多いので、1時間では換気しきれないという結果になります。

ですが、2時間あれば十分換気できると言えます。

結論

この換気扇ならば、2時間もあれば我が家のリビング・ダイニングの換気をし切れるので、それで良しとした。

また換気扇と吸気口は、最も遠い対角でレイアウトしました。

↓ざっくりこんな感じです。

我が家のリビング・ダイニングは
「2時間で部屋全体の換気をする」
という条件のもと、1つの換気扇で足りました。

では足りない場合はどうするか。

・換気扇のスペックを上げる
・換気扇の数を増やす
・吸気口の位置を換気扇に近づける

どれか、もしくは複数実施することで目標を達成できると思います。

3.【壁位置に注意】入り組んだ先の換気扇は吸わない

先ほど、換気扇と吸気口の間の距離の大切さを
・普通のストロー(長さ15cm程度)
・ものすごく長いストロー(長さ1m)
を引き合いに出して説明しました。

それと似た話で、トロピカルジュースのクネクネしたストローも吸いにくそうですよね。

実際吸いにくいです。

もちろんストローの長さも関係していますが、このとき不利になるのはクネクネしていることです。

銀次郎
余計な抵抗がつきます。

つまり換気扇にとっては、一直線で吸える方が1番効率がいい訳です。

部屋の壁の入り組んだ奥などに換気扇があると、換気扇にしてみれば空気は吸いにくいです。

4.【窓位置に注意】換気扇は吸いやすい所から吸う

逆に換気扇に対して、吸気口が近すぎてもダメです。

換気扇にとって空気を吸いやすい環境ですが、「部屋の換気」という目的は達成されません。

図で表すと、こんな感じになります↓

そう、外から吸った空気をすぐ吐き出しているだけです。

銀次郎
部屋の大半の空気は入れ替わっていません。

注意しないといけないのは、掃除や空気の入れ替えで窓を開ける時です。

全部の窓を開けがちですが、換気扇近くの窓を開けてしまうと、換気扇はそこからしか空気を吸いません。

銀次郎
せっかくの換気扇がムダに・・・

ここで注意しないといけないのは、
換気扇の近くに窓を取り付けてはダメ、ということではありません。

換気扇を回している際に、換気扇近くの窓を開けない方がよい。


言いたいのはコレです。

銀次郎
掃除など一時的なら別にいいと思います。

5.【最後に】換気扇と吸気口の位置を決めるポイント

・掃除など例外時は想定しない
・部屋を縦断した空気の流れかどうか

今は24時間換気が普通です。つまり、換気扇が回っている大半の時間は、窓を閉めきった状態です。

その閉め切った状態で、うまく換気できるかがポイントです。

それでは今日はこのへんで。

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